ここからは、ブルゴーニュ/BourgogneワインのDNAのなかを旅してみましょう。この地域のクリマ/Climatは世界にも希有な特徴を有しており、ブルゴーニュ/Bourgogneの人々は、2015年、ユネスコ世界遺産に登録されることを待ち望んでいます。
2000年の歴史とともに、ブルゴーニュ/Bourgogneのぶどう畑は、人類の経験と、この地域に極めて特有な土壌と気候の観察により育まれてきました。その結果、品質の高さで有名な、明確に区分された区画で構成されたモザイク様のぶどう畑ができあがりました。それが、クリマ/Climatsとリュー・ディ/lieux-ditsです。
しかし、そもそもそれはいかなるものでしょうか?その非常に特徴的な名前はなにに由来するのでしょうか?
ブルゴーニュ/Bourgogneのクリマ/Climatsを体現するクロ/Clos
ブルゴーニュ/Bourgogneでは、クロ/Closとは石垣で囲まれたぶどう畑を指します。この石垣は所有地の境界をあらわし、所有者は聖職者、代々のブルゴーニュ/Bourgogne公、フランス王などでした。ル・クロ・ド・ヴジョ/Le Clos de Vougeotというクリマ/Climatは、シトー会修道院 の修道士がヴジョ/Vougeoに所有していたクロであることを示しています。ジュヴレ・シャンベルタン/Gevrey Chambertinでは、アマルゲール公がベーズ修道院 の修道士にクロを寄贈し、クロ・ド・ベーズ/Clos de Bèzeとなりました。
クリマ/Climatsという語はブルゴーニュ/Bourgogneに特有で、テロワール/terroirのブルゴーニュにおける定義を構成します。
クリマ/Climatは明確に限定された土地の区画であり、特定の地質および気候条件の恩恵を受けています。それに、栽培家の耕作と、2つの偉大な品種である赤ワイン用のピノ・ノワール/Pinot Noirと、白ワイン用のシャルドネ/Chardonnayの表現が結びつき、世界に知られたクリュ/cruの稀にみるモザイク様の品質等級が誕生したのです。
リュー・ディ/Lieux-ditsとは?
Lieu-ditは、フランスで土地台帳が創設されて以来、その名を地形学あるいは歴史的な特性に由来する土地の小さな区画を指します。ブルゴーニュ/Bourgogneでは永い間、クリマ/Climatsとリュー・ディ/Lieux-ditsが混同されて使われてきましたが、実際には異なるものです。たとえばひとつのクリマ/Climatのなかにいくつものリュー・ディ/Lieux-ditsがあることもあれば、リュー・ディ/Lieu-ditの一部がクリマ/Climatになっていることもあるのです。
クリマ/Climatとリュー・ディ/Lieux-ditsは、ブルゴーニュ/Bourgogneワイン固有のアイデンティティをもたらしています。その名称は、さまざまな由来から、ぶどう畑の豊かさと歴史を物語っています。
すなわち、自然環境、遺産、ノウハウ、人間の影響です。
ブルゴーニュ/Bourgogneワインをテイスティングして、驚くべき多様なクリマ/Climatの世界に旅立ちましょう。
ブルゴーニュ/Bourgogneのぶどう畑の世界遺産登録申請は、ブルゴーニュ/Bourgogneのワイン生産者の枠を超え、この希有なぶどう畑を愛するすべての人たちが一体になったすばらしいうねりです。このプロジェクトは、世界でも稀なテロワール/terroirを認めてもらうことが目標ですが、なによりもまず2000年の歴史をもつ、この比類なき文化遺産の価値を高め、次世代に引き継ぐためのものです。