ディジョンの北西にあるシャティヨネ/Châtillonnais は、もっぱら発泡性のクレマン・ド・ブルゴーニュ/Crémant de Bourgogneを造っています。ブドウ栽培醸造家は、和気あいあいと楽しめるアペラシオン・ブルゴーニュ/Bourgogneの数々を生み出しています
シャティヨン・シュル・セーヌ/Châtillon-sur-Seineで古代の最も巨大な 「タートヴァン(tastevin )」を見つけましょう。
人口7,000人の小さな街シャティヨン・シュル・セーヌは、伝統的に「ヴィスの甕(かめ)の都市」と呼ばれています。ケルト文化に遡るこの古代都市で1953年、王侯の墓に伝説の宝ものが発掘されました。それは、ワインを供するために造られた、紀元前6世紀、この高さ1.64m、重さ206.8kgの巨大な「タートヴァン(タストヴァン)」でした。
この容量1,100ℓの容器にワインが注がれ、今日の聖ヴァンサン祭(ワイン祭り)のような祭典や祝祭の機会に、出席者に供されました。つまり、ブルゴーニュ/Bourgogneでは、ぶどう畑ができる前から、すでにワインが存在していたのです!
古文書によると、シャティヨネ/Châtillonnais では、すでに2000年前からぶどう畑が存在していたようです。
カロリング朝から19世紀にかけてワインの生産が盛んになり、シャティヨネ/Châtillonnaisのワインが評判になりました。3つの戦争後の20世紀半ばには、フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)の災禍と経済危機に見舞われ、ぶどう畑は壊滅寸前でした。しかし、1980年代以来、地元のぶどう栽培醸造家の情熱が実り、危機を脱し、新たな飛躍を遂げました。
現在では、このワイン生産地区の栽培面積は約250ha、ディジョンの北西70km、トネールから東に45kmに位置します。
ここは、繊細に発泡する、白とロゼのクレマン・ド・ブルゴーニュ/Crémant de Bourgogneの王国です。
シャティヨネ/Châtillonnais の23村がブルゴーニュ/Bourgogneのワインを醸造しています。
ぶどう畑は南南東向きで、ぶどうが熟するのに最適な夏と秋の日照に恵まれています。硬い石灰質土壌に根を張ったぶどうの株が、ワインに繊細な香りをもたらします。
この歴史的な地(モレームは、その後11世紀にシトー会修道院を設立することになるロベール修道士によって設立された修道院の本拠地です)では、ぶどう品種としてピノ・ノワール/Pinot Noirとシャルドネ/Chardonnayが君臨しています。ぶどう栽培農家はガメイ/Gamayとアリゴテ/Aligotéも栽培しています。これらのぶどう品種から、数々のクレマン・ド・ブルゴーニュ/Crémant de Bourgogneが産出されています。
シャティヨネ/Châtillonnais のワインをもっとよく知るには、紫紅色の、溌刺として親しみやすい陽気なブルゴーニュ/Bourgogneの赤か、柑橘系と蜂蜜の洗練された香りを放ち、太陽光が美しく反映した、ミネラル感に溢れたブルゴーニュ/Bourgogneの白をお奨めします